数学の勉強の仕方 塾・WHY
・数学は、定義と定理(公式も定理のうち)から成り立っている。ここで定義とは、「数学で用いる言葉や記号についての意味の規約のこと」である。一方、定理とは、「定義から理論的に導かれる事柄のこと」である。定義は数学の出発点と言うべき事柄であって、これを正確に身に付けないと数学の問題が解けないことになる。このことは、ちょうどルールを知らずにスポーツの試合が出来ないのと同じである。例えば「」の定義を知らないと「を証明せよ」 という問題が解けないし、また「三平方の定理」を知らないと2辺の長さがそれぞれ3、8である直角三角形の斜辺の長さを求めることは出来ない。
・以下では定義、定理、公式をまとめて基本事項と呼ぶことにする。数学の教科書は次の順序で解説が書かれている。
(1) 定義の説明(言葉や記号の定義は大字で書かれ、式の定義は□で囲んである)
(2) 定義を理解したかどうかを確かめる為の問あるいは練習問題
-
定理や公式の説明(太字で書いてあるか□で囲んである)
-
例題による定理や公式の使い方の説明
-
定理、公式の使い方を理解する為の問あるいは練習問題
(6) その章で学んだこと全てを理解し、かつ身に付ける為の章未問題
・教科書をマスターするとは:(1)(3)(4)を身に付け(2)(5)(6)を解く事によって基本事項を正確に覚えた上で、それを用いて問題を考え抜く訓練をすることである。この塾で配布している基本プリントに掲げてある基本事項のうち2/3は教科書に書かれてあることである。残りの1/3は問題を解く時に、基本に問題をいかにして基本事項に結び付けていくかの着眼点についての事柄であり、これらは教科書や受験参考書には書かれていない。
・「数学のテストのねらい」は、基本事項が正確に身に付いているか、それらを如何に使いこなせるか、を調べる事にある。従ってテストで合格点を取る為には、基本事項を完全に身につける事が必要不可欠であることが分かるだろう。
・また「数学が出釆る」というのは、基本事項を正確に身に付け、かつそれらを楽々と使いこなせる状態を言う。数学が不得意な生徒の殆どは、問題の類似性ばかりに気を取られ、個々の問題の解き方を覚えることに終始していて、基本事項の重要性に気づかず、(それもそのはず、基本事項の重要性について、学校では殆ど注意されていない!)これを身につける訓練は何一つしていない。これではいつまで経って数学が出来るようになれない。数学が良く出来る生徒は、基本事項を駆使して問題を考え抜く訓練を行っているからこそ出来るのである。
・「数学の正しい勉強方法」数学は難しいし、分り難いと考えられているが、数学程、正しい勉強の仕方さえ身につければ、できるようになる科目も他にない。
数学の正しい勉強の仕方とは、簡単に言えば、まず基本事項を完全に習得し、問題を解く際にそれらを如何に利用するかを粘り強く考え抜く訓練を継続する事である。それによって考える力が徐々に向上してきて、どんな問題にも対処できるようになる。基本事項が身についていなければ、思考力を高める為の訓練は何一つ出来ないので数学ができるようには決してならない。
具体的な訓練の仕方は以下の「問題の解き方」に示すが、この訓練を継続して3~6ケ月間行なう事が出来れば、問題に対する正しい直感が養われ、どんな問題でも考えぬけるようになるのだが、この訓練にはかなりの根気と継続する覚悟が必要である。
・問題の解き方(次頁の図解参照):問題文を熟読し、先ず、条件と結論を見付け出す。次に基本事項によって、結論を分析し、これに従って、条件を分析する。最後に条件から結論を導き出す。具体的に言うと、分析した結論を導く為に必要な事柄1を見つける、条件を利用して見付ける。さらにその事柄1を導く為にはどんな事柄2が必要か、さらに……という具合に、結論に到達する為に必要な事柄を次々に見つけて行って、結論に到達するために必要な事柄を最終的に突き止めることが問題を解くことなのである。そして最終的な事柄まで到達した時に問題が解けた事になる。(以下の図で矢印の向きに注意せよ)
分析した結論→ 結論を導くのに必要な事柄1→ 事柄1を導くのに必要な事柄2
→事柄2を導くのに必要な事柄3→ ……→与えられた条件
・基本事項が高々3個くらいしか含まれていない易しい問題を解く時には上に述べたような訓練をしていなくても解けるが、基本事項が5つ以上含まれているような問題では上で述べた訓練をしていないと歯がたたなくなってしまう。
以下に訓練事項を詳しく図解しておくので、訓練目標をしっかり頭に入れて問題を解くこと。
